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疾患情報

大学等で行われている再生医療の研究例(呼吸器)

<気管>
・京都大学:非生分解性*¹ポリプロピレンのメッシュ・リングとコラーゲンスポンジによる生体内組織誘導型*²の人工気管が開発されました。癌などの浸潤による気道切除後の1期的気道再建と気道狭窄の病変切除の2期的再建のための臨床研究が行なわれました。医療機器としての製品化準備中です。

<肺>
・医療法人財団康生会武田病院:慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対し患者さん自身の培養した脂肪組織由来間葉系幹細胞*³を点滴で投与する臨床研究が行なわれました。

・京都大学:ヒトiPS細胞から、気道や肺胞上皮細胞*⁴に分化させることができるようになり、病因の解明や治療法の開発が進められています。

・東京女子医科大学:気胸、肺嚢胞、肺良性腫瘍などに伴う難治性気胸に対し、細胞シート*⁵作製に必要な皮膚組織と末梢血を患者さんから採取し、肺手術後の気漏部位に線維芽細胞シートを重ねて移植する臨床研究が行なわれました。

・和歌山県立医科大学:気胸を伴う慢性閉塞性肺疾患に対して徐放化*⁶basic fibroblast growth factor*⁷製剤を胸腔内に投与する臨床研究が行なわれました。


<脚注>

*¹非生分解性:物質が生体内で分解されない性質であること
*²生体内組織誘導型:足場内に結合組織が誘導され気道組織と内腔の粘膜上皮が自律的再生される
*³間葉系幹細胞:骨細胞・軟骨細胞、脂肪細胞、神経細胞、幹細胞などさまざまな細胞に分化できるとされている
*⁴肺胞上皮細胞:Ⅰ型とⅡ型があります。Ⅰ型肺胞上皮細胞は、ガス交換を行なっています。Ⅱ型肺胞上皮細胞は、肺胞がつぶれずに空気の出入りができるようにする物質の産生と分泌を行ない、また、自己を複製しながらI型肺胞上皮細胞にも分化できるという肺における幹細胞としての重要な役割を担っている。
*⁵細胞シート:細胞を使って作られるシート状の立体的な組織
*⁶徐放化:薬物を徐々に放出するように薬剤として工夫を施した製剤
*⁷ basic fibroblast growth factor:basic fibroblast growth factorは細胞成長因子の一種類で、血管新生、創傷治癒作用がある

情報更新日 2021年1月