事業担当者(2013~2016)
再生医療に関連する法的基盤が整備され、再生医療等の早期実用化へ期待が高まる中、黄斑変性症でiPS細胞を用いた世界初の臨床研究が実施されるなど、臨床応用への実現化が進んでおります。
新しい研究を始めたり、共同研究を促進したりする上で、どのようなiPS細胞がどこに存在し、どのように入手できるかについて、一元化したデータベースの構築が不可欠です。厚生労働省「ヒト幹細胞情報化推進事業」では、Web上に情報サイト(SKIP)を開設し、様々な研究機関のご協力の下、幹細胞情報を調べやすく集約したデータベースを整備しました。また、より多くの細胞情報を収集し、データベースの構築を進めております。さらに本事業においては、幹細胞研究促進のために公開セミナーを行い、研究者間の学問交流を深めると共に、HPを通じて一般の方に向けて幹細胞に関する情報や臨床研究に関する最新情報を発信しております。
研究者は、基礎研究の成果をいち早く薬事法ベースの治験へとつなげるよう、安全性を確保しながら慎重かつ迅速に実用化を目指しています。技術面においては、細胞調整技術の共通化や標準化などを図る取り組みが行われ、ハード面においては、臨床応用を推進する施設で臨床グレードの細胞や再生医療製品を製造するためのセルプロセッシングセンターの設置が進められるなど、準備が整いつつあります。
iPS細胞は、細胞移植への応用もさることながら、患者由来の細胞を用いた疾患メカニズムの解析や、創薬の研究など非常に大きな医学応用への展開が期待されています。樹立したiPS細胞の解析を基に、より迅速に成果を出すためには、研究機関や細胞加工施設、企業等、組織の垣根を越えた共同研究、そして患者など一般の方のご理解とご協力を得ることが重要となります。
本SKIPの発展には、研究者のデータ登録とご利用が不可欠です。再生医療実現化のために、SKIPへのご理解とご協力をお願い申し上げます。
ヒト幹細胞情報化推進事業『SKIP』事業担当者
事業統括:
小﨑 健次郎(慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター教授)
事業担当者:
岡野 栄之(慶應義塾大学医学部長・生理学教授)
増井 徹 (慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター教授)
福田 恵一(慶應義塾大学医学部内科学(循環器)教授)
鈴木 則宏(慶應義塾大学医学部内科学(神経)教授)
天谷 雅行(慶應義塾大学医学部皮膚科学教授)
洪 実 (慶應義塾大学医学部システム医学教授) 他