早わかり細胞研究

細胞培養の改良と限界
(1910~40年代)

バロウによる培地の改良以降、培養下で細胞を効率よく増殖させることができるようになりましたが、依然、培養における数々のトラブルは当時の研究者の悩みの種でした。1916年、アメリカのルース(Payton Rous)とジョーンズ(F. S. Jones)はトリプシンが接着細胞を剥がすのに有効であることを発見し、今まで力学的方法のみに頼っていた、細胞の分離作業に大きな効率化をもたらしました。

1940年、ペニシリンとストレプトマイシンを培地に添加することにより、動物細胞の培養におけるバクテリアのコンタミネーション(汚染)のリスクを大きく減らせることがわかり、細胞培養はさらに容易な技術となりました。

しかしこれらの技術改良をもってしてもなお、細胞を永続的に培養することは不可能でした。

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