早わかり細胞研究
ヒト細胞株の樹立
(1951年~)
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ヒトの細胞を数週間維持するという試みは、1907年のハリソンの実験(カエル神経細胞)以降、多くの研究者が競って行いましたが、40年経っても誰も成功しませんでした。そんな閉塞感の中、1951年、アメリカのゲイは、世界初の細胞株であるL929樹立の経験を生かし、世界初のヒト細胞株「HeLa」を樹立することに成功します。「正常でない細胞」の増殖性に目を付けていた彼は、51年の2月、子宮頸がん患者から摘出された病理切片を入手します。そしてこの切片を培養し、世界初のヒト細胞株の樹立に成功しました。この患者はヘンリエッタ・ラックス(Henrietta Lacks)という30代の黒人女性で、彼は患者の名前をもじってその細胞株に「HeLa」と名付けました。(この患者は同年10月に死亡しており、最後まで自分が世界初の「細胞ドナー」となったことを知らされませんでした)