先進医療を実施している医療機関

凍結保存同種組織を用いた外科治療
心臓弁又は血管を移植する手術(組織の凍結保存を同一施設内で行うものに限る。)を行うもの
凍結保存同種組織は、1) 感染抵抗性があり、2) 組織適合性に優れ、3) 抗凝固療法が不要で、4) 小児に使用可能なサイズのものが得られるなどの利点があり、これを使用することにより、従来の治療方法では危惧される感染等の問題を回避することが可能となる。
  • 東京都 東京大学医学部附属病院
  • 大阪府 独立行政法人国立循環器病研究センター
骨髄細胞移植による血管新生療法
閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(従来の治療法に抵抗性を有するものであって、フォンタン分類III度又はIV度のものに限る。)
虚血に陥った患肢に、自己の骨髄細胞を移植することで血管新生を促す新しい治療法。
  • 福岡県 久留米大学病院
  • 東京都 日本医科大学付属病院
  • 山口県 山口大学医学部附属病院
  • 新潟県 新潟大学医歯学総合病院
  • 大阪府 大阪市立大学医学部附属病院
  • 長野県 国立大学法人 信州大学医学部附属病院
  • 京都府 京都府立医科大学附属病院
  • 大阪府 独立行政法人国立循環器病研究センター
  • 奈良県 奈良県立医科大学附属病院
  • 熊本県 独立行政法人国立病院機構熊本医療センター
  • 高知県 高知大学医学部附属病院
  • 千葉県 独立行政法人 国立病院機構 千葉東病院
  • 広島県 広島大学病院
  • 神奈川県 公立大学法人 横浜市立大学附属病院
  • 愛知県 名古屋大学医学部附属病院
自家液体窒素処理骨移植
骨軟部腫瘍切除後の骨欠損
骨腫瘍に対する手術療法に際し、患者自身の罹患骨を用いて再建する方法。切除骨から腫瘍病巣を取り除いた後、液体窒素で冷却処理し、腫瘍切除後の骨欠損部の再建に用いる。従来用いられてきた熱処理等と比較し、軟骨基質の温存、蛋白・酵素の温存が可能で処理後も骨形成因子の活性が保たれるため骨癒合に有利である。術後の関節機能が温存されるほか、容易に処理を行うことができる。
  • 石川県 金沢大学附属病院
  • 愛媛県 愛媛大学医学部附属病院
  • 東京都 順天堂大学医学部附属順天堂医院
  • 沖縄県 琉球大学医学部附属病院
  • 大分県 大分大学医学部附属病院
末梢血幹細胞による血管再生治療
慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(重篤な虚血性心疾患又は脳血管障害を有するものを除く。)
慢性閉塞性動脈硬化症等の血管障害の患者の四肢に、末梢血幹細胞を局所注射することによって、末梢血管の再生を図る技術。
  • 北海道 特定医療法人北楡会札幌北楡病院
  • 千葉県 独立行政法人 国立病院機構 千葉東病院
  • 東京都 東京医科歯科大学医学部附属病院
  • 東京都 慶應義塾大学病院
  • 東京都 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院
  • 神奈川県 公立大学法人 横浜市立大学附属病院
  • 岡山県 川崎医科大学附属病院
  • 茨城県 筑波大学附属病院
  • 沖縄県 琉球大学医学部附属病院
  • 北海道 医療法人徳洲会 札幌東徳洲会病院
末梢血単核球移植による血管再生治療
慢性閉塞性動脈硬化症又はバージャー病(従来の内科的治療及び外科的治療が無効であるものに限り、三年以内に悪性新生物の既往歴を有する者又は未治療の糖尿病性網膜症である者に係るものを除く。)
慢性閉塞性動脈硬化症等の末梢血管障害のある患肢に対して、末梢血単核球を局所注射することによって、末梢血管の再生を図る技術。
  • 千葉県 千葉大学医学部附属病院
  • 東京都 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
  • 大阪府 大阪市立大学医学部附属病院
  • 京都府 京都府立医科大学附属病院
  • 神奈川県 学校法人北里研究所 北里大学病院
  • 東京都 東京慈恵会医科大学附属病院
  • 大阪府 独立行政法人国立循環器病研究センター
  • 宮崎県 宮崎大学医学部附属病院
  • 栃木県 獨協医科大学病院
  • 埼玉県 埼玉医科大学国際医療センター
  • 三重県 三重大学医学部附属病院
非生体ドナーから採取された同種骨・靱帯組織の凍結保存
骨又は靱帯組織の欠損
適切で厳密なドナーの選択、採取、採取組織に対する十分な検査、確実な処理・保存を行うことができ、生体ドナーに比べて採取できる骨・靭帯の量も多く、安全で良質な同種骨・靭帯組織を供給することができる。非生体ドナーを厳密に選択した上で骨・靭帯組織を採取し、採取した組織の検査、処理・保存を行い、安全で良質な同種保存組織を供給する。特に採取組織の検査では生体ドナーに対して一般的に行われている検査(梅毒、肝炎ウイルス等)に加え、HIV、HTLV-1やサイトメガロウイルス感染等について十分な検査を行い、感染症伝播のリスクを低下させる。
  • 神奈川県 学校法人北里研究所 北里大学病院
  • 愛知県 医療法人 蜂友会 はちや整形外科病院
歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法
歯周炎による重度垂直性骨欠損
本法は、セメント質の形成に関与する蛋白質を主成分とする歯周組織再生誘導材料を用い、フラップ手術と同様な手技を用いた上で、直接、歯槽骨欠損部に填入するだけであり、短時間で低侵襲な手術が期待できる。
  • 東京都 東京医科歯科大学歯学部附属病院
  • 北海道 北海道医療大学歯科内科クリニック
  • 新潟県 新潟大学医歯学総合病院
  • 鹿児島県 鹿児島大学病院
  • 東京都 日本大学歯学部付属歯科病院
  • 福岡県 九州歯科大学附属病院
  • 千葉県 東京歯科大学千葉病院
  • 千葉県 日本大学松戸歯学部付属病院
  • 神奈川県 鶴見大学歯学部附属病院
  • 大阪府 大阪歯科大学附属病院
  • 熊本県 伊東歯科口腔病院
  • 岐阜県 朝日大学歯学部附属病院
  • 東京都 東京歯科大学水道橋病院
  • 東京都 昭和大学歯科病院
  • 宮城県 東北大学病院
  • 福岡県 九州大学病院
  • 長崎県 長崎大学病院
  • 東京都 慶應義塾大学病院
  • 北海道 北海道医療大学病院
樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法
腫瘍抗原を発現する消化管悪性腫瘍(食道がん、胃がん又は大腸がんに限る。)、原発性若しくは転移性肝がん、膵臓がん、胆道がん、進行再発乳がん又は肺がん
がんワクチンによって、がん細胞に対する特異的な免疫を担当するTリンパ球を活性化し、患者自身の免疫系によりがんを攻撃する。活性化Tリンパ球移入療法とは異なり、がん細胞に特異的なTリンパ球のみを活性化する点が特徴。
  • 大分県 九州大学病院別府先進医療センター
  • 滋賀県 滋賀医科大学医学部附属病院
  • 東京都 東京女子医科大学病院
  • 福島県 公立大学法人 福島県立医科大学附属病院
  • 長野県 国立大学法人 信州大学医学部附属病院 
自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法
がん性の胸水若しくは腹水又は進行がん
末梢血から採取した自己リンパ球と自己の腫瘍とを混合培養するなどして接触させた後、体外でインターロイキン2などの存在下で培養し、腫瘍に特異的と期待されるキラー細胞を誘導し、増殖させ、再び体内へ戻す療法。
  • 福岡県 久留米大学病院
  • 愛知県 愛知医科大学病院
  • 東京都 北里大学 北里研究所病院
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法
がん性の胸水若しくは腹水又は進行がん
末梢血から採取した自己リンパ球と、自己の腫瘍と混合培養するなどして接触させた樹状細胞、もしくは、既に体内で腫瘍と接触のあったと考えられる腫瘍浸潤リンパ節由来樹状細胞とを、体外でインターロイキン2などの存在下で培養し、腫瘍に特異的と期待されるキラー細胞を誘導し、増殖させ、再び体内に戻す療法。
  • 山口県 山口大学医学部附属病院
  • 岡山県 川崎医科大学附属病院
多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療
通常の治療に抵抗性を有する難治性皮膚潰瘍(身体の状態により手術による治療が困難な者等に係るものに限る。)
患者本人から30~60mLの末梢血を抗凝固剤共存下に採血し遠心分離用試験管に注入後、遠心分離し自己多血小板血漿を分取する。分取した多血小板血漿を患部(潰瘍部位)の大きさに応じた用量で塗布する。外来受診から治療施行までにかかる時間はおよそ最大で2時間である。
  • 石川県 金沢医科大学病院
  • 神奈川県 聖マリアンナ医科大学病院
  • 千葉県 医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院
自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療
脊髄損傷(損傷後六月を経過してもなお下肢が完全な運動麻痺を呈するものに限る。)
自家嗅粘膜移植では、全身麻酔下に患者自身の鼻腔内に存在する嗅粘膜組織を内視鏡下に摘出する。そして摘出した嗅粘膜を手術室内で洗浄、細切後、脊髄損傷部位に存在する瘢痕組織を摘出して作製した移植床に直ちに移植する。移植後は少なくとも1年間は週35時間程度のリハビリテーションプログラムを遂行し、軸索再生と新たに獲得された神経回路の維持の為訓練を行っていく。
当該技術(難治性ウイルス眼感染疾患に対する包括的迅速PCR診断)は、必要なプライマーとプローブを作製して研究室にて用いている。プライマーとプローブは現時点ではキット化できていないため、院内で調整する。
  • 大阪府 大阪大学医学部附属病院
培養骨髄細胞移植による骨延長術
骨系統疾患(低身長又は下肢長不等である者に係るものに限る。)
骨延長術時に骨髄液を採取し、間葉系幹細胞を含む細胞を自己血清含有の骨芽細胞誘導培地にて3週間培養し骨芽細胞へ分化誘導する。多血小板血漿は移植前日に自己静脈血より遠心分離法により精製する。培養細胞の安全性を確認後、培養細胞と多血小板血漿を混合してトロンビン、カルシウムとともに骨延長部位に注射により移植して、早期に骨形成を促す治療法である。
  • 愛知県 名古屋大学医学部附属病院
NKT細胞を用いた免疫療法
肺がん(小細胞肺がんを除き、切除が困難な進行性のもの又は術後に再発したものであって、化学療法が行われたものに限る。)
NKT細胞は特異的リガンドであるαガラクトシルセラミドにより活性化すると腫瘍に対して直接的に、もしくは他の免疫担当細胞を活性化して間接的に強力な抗腫瘍効果を発揮する。体内NKT細胞の活性化を誘導するために、末梢血より成分採血にて単核球を採取して樹状細胞を誘導し、αガラクトシルセラミドを添加した後に、本人に点滴静注にて投与する。
  • 千葉県 千葉大学医学部附属病院
ゾレドロン酸誘導γδT細胞を用いた免疫療法 
非小細胞肺がん(従来の治療法に抵抗性を有するものに限る。)
患者末梢血から単核細胞(PBMC)を採取し、その中に含まれるvδT細胞をゾレドロン酸とIL-2を用いて体外で刺激培養した後、再び患者の体内に戻す(点滴静注)。アフェレーシスで採取したPBMCを分注して凍結保存し、培養に用いる。γδT細胞の投与(点滴静注)を2週間毎に6回実施する。効果が確認された患者ではさらに治療を継続する。
  • 東京都 東京大学医学部附属病院
自己口腔粘膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術 
角膜上皮幹細胞疲弊症(二十歳以上かつ書面により同意した場合であって、移植の対象となる眼球の角膜上皮幹細胞が角膜全体にわたり疲弊し、角膜の表面全体が結膜組織で被覆されているものに限る。)
本方法は、患者本人の口腔粘膜組織を採取し単離した上皮細胞を、温度応答性培養皿状で約2週間培養し、培養上皮細胞シートを作製する。角膜表面から結膜瘢痕組織を外科的に除去した後、この細胞シートを露出させた角膜実質に縫合する。
これにより、角膜表面は上皮組織により完全に再建され、角膜の透明性が回復し、視力回復が長期的に得られる事が期待できる。
  • 大阪府 大阪大学医学部附属病院
NKT細胞を用いた免疫療法 
頭頸部扁平上皮がん(診断時のステージがIV期であって、初回治療として計画された一連の治療後の完全奏功の判定から八週間以内の症例(当該期間内に他の治療を実施していないものに限る。)に限る。)
標準治療終了後の頭頸部扁平上皮がんを適応症とした、末梢血単核球由来の培養細胞にNKT 細胞特異的リガントを提示させて鼻粘膜に投与し、内在性NKT 細胞を活性化させ抗腫瘍効果を得る新規の免疫細胞治療である。
  • 千葉県 千葉大学医学部附属病院
C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する自己骨髄細胞投与療法 
C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変(Child-Pugh分類による点数が七点以上のものであって、従来の治療法(肝移植術を除く。)ではその治療に係る効果が認められないものに限る。)
全身麻酔下で患者の腸骨より骨髄液を約400ml採取の上、骨髄採取キットにより骨片を除去し(血液疾患の骨髄移植に準じて)、無菌的に単核球分画の分離精製を行い、末梢静脈から約2-3時間かけて投与する。
  • 山口県 山口大学医学部附属病院
自己口腔粘膜及び羊膜を用いた培養上皮細胞シートの移植術 
スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡又は熱・化学腐食に起因する難治性の角結膜疾患(角膜上皮幹細胞が疲弊することによる視力障害が生じているもの、角膜上皮が欠損しているもの又は結膜嚢が癒着しているものに限る。) 
被験者より採取した口腔粘膜組織を用いて、先端医療センターにてヒト羊膜基質上で培養した口腔粘膜上皮シートの移植により、角膜再建(視力改善、上皮修復)および結膜嚢再建(癒着解除)を行う。
対象患者は、難治性角結膜疾患のうち、原疾患がスチーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、重症熱・化学腐食のいずれかであるもので、以下の3つのグループに分けられる。
1) 視力障害の患者((上記3疾患ごとに6症例ずつ計18症例)
2) 亜急性遷延性上皮欠損の患者(上記3疾患のいずれかは問わない。計6症例)
3) 結膜嚢癒着の患者のうち、眼類天疱瘡の進行予防のために結膜嚢形成が必要な患者や白内障手術予定患者等(上記3疾患のいずれかは問わない。計6症例)

主要評価項目は対象患者に対応して、以下の通りとする。
1)移植前から移植後24 週の遠見(5m)視力の変化
2)移植前から移植後24 週の上皮異常総合スコア(上皮欠損、結膜侵入、血管侵入のスコア値の和)の変化
3)移植前から移植後24 週の眼科所見における結膜嚢癒着スコア(上下の和)の変化
いずれのグループも、難治性角結膜疾患の治療を目的としており、安全性評価項目は同一であるため、一つの臨床試験として実施することとする。
副次的評価項目は共通で、結膜所見(角化、結膜充血、結膜嚢癒着上・下)、角膜所見(眼球癒着、角化、上皮欠損、結膜侵入、血管侵入、角膜混濁)とする。安全性評価は有害事象の発現頻度と重症度とする。
  • 京都府 京都府立医科大学附属病院
  • 兵庫県 先端医療振興財団 先端医療センター

2014年8月現在

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