幹細胞の歴史 ~iPS細胞のできるまで~

多能性を持つ幹細胞の発見~ES細胞の樹立 体性幹細胞の研究の発展
(分化能と遺伝子の関係、遺伝子導入など)
核移植による初期化
1954

Leroy C. Stevens
マウス精巣のテラトーマ発見

あるマウスの精巣テラトーマが多能性を持つことを発見
   
1957  
1990 Nobel Prize

E.Donnall Thomas
造血幹細胞の骨髄移植

骨髄移植による血液疾患の治療法を確立
 
1962    
2012 Nobel Prize

John Gurdon
カエルの卵への核移植

カエルAの卵の核を紫外線で破壊した後、オタマジャクシBの腸の細胞から取り出した核を移植。Bのクローンカエルに成長した。
1964

Lewis J. Kleinsmith
EC細胞の樹立

マウスの悪性奇形腫(Teratocarsinoma)から胚性がん種細胞(EC細胞)を樹立
   
1974

R. L. Brinster
キメラマウスの作製

EC細胞をマウス胚盤胞に注入し、キメラマウスを作製した。

Rudolf Jaenisch
マウス初期胚にウィルスDNAを導入

マウス胚盤胞にSV40ウィルスのDNAを導入
 
1975  

Rudolf Jaenisch
白血病ウィルスを使って遺伝子導入

白血病ウィルス(レトロウィルス)マウス初期胚に感染させ、遺伝子が取り込まれるのを確認
 
1978  
1995 Nobel Prize

E.B.Lewis
ホメオティック遺伝子の発見

遺伝子の制御によって、体のある一部の組織や器官が別の組織や器官になることを証明
 
1979  

Peter Jones
線維芽細胞の薬剤処理による多能性獲得

C3H10T1/2を薬剤処理してDNAのシトシンのメチル化を抑え、細胞分化を制御
 
1981
2007 Nobel Prize

Evans MJ
ES細胞の樹立(EK細胞)

胚盤胞の内部細胞塊の細胞を培養し、多能性を持つ細胞を発見

GR Martin
ES細胞の樹立

胚盤胞の内部細胞塊の細胞を培養し、多能性を持つ細胞を発見
   
1985
2007 Nobel Prize

Oliver Smithies
遺伝子ターゲティング法を開発

動物個体の遺伝子を自由に改変できる方法を開発
   
1986  

Harold Weintraub
分化誘導因子の発見

MyoD1をC3H10T1/2に導入すると、筋細胞に分化した。

Willadsen
胚の核移植でクローン羊

初期胚の核移植でクローン羊を作製
1989
2007 Nobel Prize

Mario R. Capecchi
ノックアウトマウスの作製

遺伝子ターゲティング法を用いてノックアウトマウスを作製
   
1993  

Caplan AI
間葉系幹細胞を定義

間葉系幹細胞が骨格組織に分化
 
1995  

北村 俊雄
レトロウイルスによる遺伝子導入の安定化

高効率で遺伝子導入するレトロウイルスベクターを開発
 
1997    

Ian Wilmut
クローン羊の作製

顔の黒い羊Cの卵子の核を取り除き、顔の白い羊Dの乳腺脂肪の核を移植。これを第3の羊Eの子宮に移したところ、顔の白い羊Dのクローン羊が誕生。
1998

James Thompson

人工授精の余剰胚からES細胞を樹立

Pittenger MF
間葉系幹細胞の多能性

間葉系幹細胞が軟骨、骨、脂肪細胞、筋肉などに分化

若山 照彦
マウスのクローニング

マウスの卵丘細胞の核由来のマウスクローンを作製。その後、6世代まで繁殖
2001  

理化学研究所 林崎 良英
完全長DNAのデータベース

マウスの完全長cDNAデータベースFANTOMの発表

多田 高
体細胞の初期化

ES細胞とTリンパ球を融合させ、Tリンパ球を初期化
2006
2012 Nobel Prize

山中 伸弥
マウスiPS細胞を樹立

マウスの体細胞に4つの因子を導入して初期化
2007

山中 伸弥
ヒトiPS細胞を樹立

ヒトの体細胞に4つの因子を導入して初期化
2008  

山中 伸弥
ガン遺伝子を使わずにiPS細胞を樹立

ガン遺伝子c-MycなしでiPS細胞を樹立
 
図:iPS細胞のできるまで
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