再生医療と幹細胞
幹細胞移植の特徴と現状幹細胞移植とは?
幹細胞移植とは何ですか?
現在、臨床で行われている幹細胞移植と言えば造血幹細胞移植のことを指します。造血幹細胞は、末梢血、骨髄、そして臍帯血から得ることができます。造血幹細胞は、赤血球、白血球、血小板など、体が必要とする多様な種類の血液細胞を作ることのできる細胞です。この細胞を体の外へ取り出し、患者さんに点滴で移植します。
造血幹細胞は、これらの血液の細胞を作るだけでなく、移植された人の造血幹細胞を新しく作り出す能力があり、恒常的に造血システムを維持することができます。
造血幹細胞移植と同じように血液成分を体内に入れる治療で輸血があります。輸血は一時的に血液細胞を供給できるのに対し、造血幹細胞移植は長期にわたって血液細胞を供給する、という点に違いがあります。詳しく説明すると、輸血では不足した赤血球、白血球、血小板などを即座に補うことができますが、それらの細胞が寿命を迎えると新たに輸血する必要があります。一方で、造血幹細胞移植では、造血幹細胞が体内で生着し血液細胞を作るまでの時間は必要ですが、その後は血液細胞を作り続けます。このように、幹細胞は体内で持続的に機能できるという特徴があり、それが治療上の大きな効果を発揮します。